2002年03月06日(水) |
鬼束ちひろとかもめのジョナサン |
鬼束ちひろ2ndアルバム「This Armor」を聴く。前作よりも曲のスケールが大きくなっているような気がします。割と明るめの曲調が多いせいか、「濃ゆさ」の点では前作の方が濃かったけど(笑) 「LITTLE BEAT RIFLE」はシングルバージョンのアレンジの方が好きです。 リチャード・バック「かもめのジョナサン」を今頃読む。確か昔、かの宅八郎が好きだと言っていて、なら私は読まんぞと思ってきたのですが、大好きな森博嗣氏がベストブックに挙げていたので(単純)。 で、読みました。・・・もっと若い時なら感動したんだろうなあ・・・。 早瀬は小説の「切れ味」よりも描写とか、もっと「力」を感じる(ある意味泥臭い)部分が好きなので、こういった洗練系は大好き、にはならないのですなあ。あとは、人間に対する考え方の違いかな・・・。訳者にして解説の五木寛之氏の意見に近いです。一体何を根拠にジョナサンはこんなに偉そうなんだろう?とか(笑) ジョナサンを素直に賞賛できるほど若くないってことかな。この全能感にはちょっと待てよ、と思ってしまう。飛行機になろうとして幽霊になっちゃったかもめの話じゃん、と突っ込んだり(笑) ま、そんなことを言うのは決まってやさぐれた駄目人間なのであまり本気にしないように。 あと、サリンジャーと似ているな、と思ったのは、なんとなく「禅」に通じるものを感じるからです。サリンジャーの「孤掌の音」はもろに禅問答からで、バックの(というよりジョナサンの)「自由という無限の思想」「完全なる境地」もそれに似た感じがします。
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