Dance日記帳
モクジ|キノウ|ヨクジツ
終戦記念日。 私の父は終戦の時に18歳だった。 母は戦後の混乱を生きてきた。 私は、その両親に小さい頃から「戦争」を語られて育ってきた。
戦時中のこと、戦後のこと。 空襲の怖さ。食べ物のない辛さ。 我慢と苦労が当然だったこと。
子供の頃には反発さえ感じた、ひとつひとつの話。 「私の生きてる時代は違うんだもん」という子供の愚かな考え。 ようやく、少し大人になって、父母の言わんとしていること、伝えようとしていることが僅かに解ってきたのだろうか。
あの戦争があって、混乱があって、そして、今が在る。 今、豊かな生活ができるのも、戦中戦後に努力し、苦労をしてきた人たちが居てくれたからだと思う。 「良い時代に生まれたね」とよく言われた。 その意味が少しずつ理解できるようになってきたのだろうか。
私は戦争を知らない。 だからこそ、識るようにしたいと思うのだ。
老いてきた母が、時折、遠くを見ながら囁く「あの頃はね」という話をもっともっと聞いておきたい。
そっと手を合わせる。安良かに。
街は静寂に包まれて、蝉の声だけが響いている。 久しぶりに蜩を聞いた。
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