Dance日記帳
モクジキノウヨクジツ


2006年08月15日(火) 静寂夏日

終戦記念日。
私の父は終戦の時に18歳だった。
母は戦後の混乱を生きてきた。
私は、その両親に小さい頃から「戦争」を語られて育ってきた。

戦時中のこと、戦後のこと。
空襲の怖さ。食べ物のない辛さ。
我慢と苦労が当然だったこと。

子供の頃には反発さえ感じた、ひとつひとつの話。
「私の生きてる時代は違うんだもん」という子供の愚かな考え。
ようやく、少し大人になって、父母の言わんとしていること、伝えようとしていることが僅かに解ってきたのだろうか。

あの戦争があって、混乱があって、そして、今が在る。
今、豊かな生活ができるのも、戦中戦後に努力し、苦労をしてきた人たちが居てくれたからだと思う。
「良い時代に生まれたね」とよく言われた。
その意味が少しずつ理解できるようになってきたのだろうか。

私は戦争を知らない。
だからこそ、識るようにしたいと思うのだ。

老いてきた母が、時折、遠くを見ながら囁く「あの頃はね」という話をもっともっと聞いておきたい。

そっと手を合わせる。安良かに。

街は静寂に包まれて、蝉の声だけが響いている。
久しぶりに蜩を聞いた。


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