Dance日記帳
モクジ|キノウ|ヨクジツ
23日に向けてのリハーサルが続く。
日曜のリハーサルの後に、「たぶん無理だとは思うけれど」と言いつつ、キミコ先生に出演依頼メール。 予想を裏切る、快い返事を貰って、逆に驚いてしまった程だ。
恋愛も、そして舞踊も、肝心なのは勢いだと思い知る。
先行きを計り、臆病になっていたら何事も生まれず、何事も変わらず。 歳とともに、どんどん保守的になる己を其の侭にして置いたとして、今後の展開は如何なるものか。
火曜のリハーサルで、キミコ先生と1年ぶりの再会を果たした。
何年もの期間、一緒に踊ってきた仲間だ。 1年ほどの隙間など、1分もあれば埋まる。
過去に一緒に踊った作品を、此の様にして、また此処で踊る機会に恵まれるとは感無量だ。
淡い記憶を辿って、振りを起こす。 そう、この感触。そう、この感覚。 踊ることは凄いと思う瞬間だ。 一度踊っているものは、何処か、躯の奥底にそっと沈殿しているのだろう。 躯を揺すると、其れが舞い上がり、徐々に記憶が蘇ってくる。 そして、その記憶が徐々に鮮明になってゆくのが躯の隅々から伝わってくるのだ。 そうすると、まるでスイッチが自動的に入ったかのような感覚に見舞われる。同時に鳥肌がたつような、背筋が伸びるような、何とも云えない体感が躯を包み込む。至福の一瞬でもある。 踊ったことのない輩には、理解し得ない、独特のもの。 恐るべき、躯の記憶。仕合わせを噛み締める。
誰かに何かを伝えようなどという、下心はすっかり消え去り、踊る快楽のみに満たされる。 たぶん、此の様な一瞬のために、30年以上も踊り続けているのだろう。
1年ぶりに会ったと云うのに、私たちは大して言葉も交わさず、1曲の振り起こしだけで語り合えたように思う。 踊りで繋がる仲間というものは、他には例えようのない不思議なシンパシーが有る。共有するものが大きいから。 目と目で分かり合うのではない、背中越しの空気で分かり合える。
また彼女と踊れる喜びを大切に、本番を迎えたい。
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