月。
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2002年05月11日(土) 狡猾。

宅急便のお兄さんの「お届けモノでーす!」という声で起きた
ボサボサの寝起きの姿で荷物を受け取る

寝ぼけていたアタマが活動を始める
昨夜から降り続いた雨はすっかり止んでいた

さて、やることはたくさんあるゾ
と自分に気合を入れて、動き出す

電話が鳴る

私の たいせつなたいせつな友達 からだった

『最近はいつも大人数で集まるから、ゆっくり話す時間がないよね。ま、それも楽しいんだけど』

なんて言いながら
積もりに積もった話をひとつずつ
電話は相手の表情が見えなくて苦手に思うときもあるけれど
こうして彼女と話す時間が、私はとても好きだ

電話をしながら
洗濯をして冷蔵庫を開けて林檎をかじる
お湯を沸かしコーヒーを入れて飲む

話は尽きない
優しく穏やかな時間

だけど彼とのことは話せなかった、話さなかった
彼を、女の部分では必要としているけれど、踏み出せない

必要と思っているのに
彼との未来を思い描くことが出来ない

ずるい私


杏 |MAIL

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