月。
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2002年04月10日(水) 彼の手も声も。

今も、きっとこれからもずっと好きな彼は
煙草を吸う時、人差し指と中指の付け根で持って
顔を覆うように吸う人だった

私はその仕草がとても好きで

彼の手は、ほんとうにグローブみたいで
昔、私が編んだゆるゆるの手袋がぴったりはまるくらい
大きな手だった

ほんとうは
指がスラリと長くて
骨張っていてゴツゴツしている
綺麗な手が好きなのだけれど

彼の手だけは
なんだかとても好きだった

指の付け根は太いのに指先は細くて
まるでごはんを食べる時に使うお箸のようで

手のひらは分厚くて
私の手と重ね合わせると
指の第二関節まで彼の手のひらで

この人に
気持ちも身体も全部預けて
寄り掛かってしまえたらと思っていた

でももう無理なのかもしれない
もう諦めなければいけないのかもしれない


杏 |MAIL

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