月。
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今も、きっとこれからもずっと好きな彼は 煙草を吸う時、人差し指と中指の付け根で持って 顔を覆うように吸う人だった
私はその仕草がとても好きで
彼の手は、ほんとうにグローブみたいで 昔、私が編んだゆるゆるの手袋がぴったりはまるくらい 大きな手だった
ほんとうは 指がスラリと長くて 骨張っていてゴツゴツしている 綺麗な手が好きなのだけれど
彼の手だけは なんだかとても好きだった
指の付け根は太いのに指先は細くて まるでごはんを食べる時に使うお箸のようで
手のひらは分厚くて 私の手と重ね合わせると 指の第二関節まで彼の手のひらで
この人に 気持ちも身体も全部預けて 寄り掛かってしまえたらと思っていた
でももう無理なのかもしれない もう諦めなければいけないのかもしれない
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