月。
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2002年03月26日(火) 忘れてはいけない。

雪が降っていた

いつもと違う風景
浴室の窓を開けると雪景色

朝は雨だったのに
深夜になるにつれて
雨は雪に変わった

湯気の向こうには
暗闇から深々と舞い落ちる雪
灯りを消して、窓を開け放ち、闇に見入る

雪は勢いを増し
今にも吸い込まれてしまいそうだった

眩暈がした

答えが返って来るわけでもないのに
ひとり呟いていた

「ごめんね、私の我儘を通してしまって
 何も出来ないかも知れないけれど頑張るから見守っていて?」

雪はただただ
静かに降り続ける


この先
誰を愛することになっても
私は、自分のしたことを許さないだろう

この先
二度と子どもを身篭ることが出来なくなったとしても
それは、自分のしたことに対する罰なのだと思っている

私を責めることが出来る存在を
私は自分の意志で決め、闇に葬ったからだ

私はあの時
此処に芽生えた生命を生みたいとは思わなかった
否、それは今でも変わりがない

それがとても悲しい

忘れてはいけない
そして二度と繰り返してはいけない

(2002.03.23)


杏 |MAIL

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