伝票登録していたら、突然、画面がシマシマになった。
以前にも、何度か、こんな憂き目にあっている。
記憶を辿るまでもなく、この場合、それまでに登録したデータは飛んでしまっている…。

それでも、なんとかならないか。

すがる思いで、真後ろで仕事をしていたＭちゃんに声を掛ける。
「元にもどせる？」
わかんねーと言いつつ、アレコレ試してくれた。
すると、主任のＪさんが通りかかった。
「あれ、どうしたの？」
「治してください」
それまでに登録した伝票は、一番手間のかかるものだったのだ。
もう一度やり直すのは、極力さけたい。
無理だとわかっていても、ついついごり押ししてしまった。
「何とかしてください」
「えー、これまでにこんなことって−」
「ありました、３回くらい」
「で、どうやったの？」
「ガチャ切り(＝いきなり電源のスイッチで切ること。最悪のパターン)」
「データは？」
「飛びます」
Ｊさんは、しばし、シマシマの画面を見つめ、ため息をついた。
「阪神のせいだ」
…はい？
それはないだろーよ。

結局、阪神の呪いと言い放ったジャイアンツ・ファンは、
治す気も失せてしまったしらい。
野球なんかどうでもいいＭちゃんが、打ち直してくれた。
そんなにシマシマが憎いのか、ジャイアンツ・ファンよ…。
うん、気持ちはわからないでもないけどねー。