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2002年03月14日(木)

数えるのが苦手な彼ら。

毎年、この日に、思う。
男の人、数えるのが苦手だよね。っていうか、大雑把な人が多い…気がする。

今日はホワイト・デー。一ヶ月前の義理を返す日です。
ワタシもきちんと、配った分だけお礼をいただき、しばらくはお菓子を買う必要はない量に。お返しとはいえ、やっぱりいただきモノは嬉しいものです。

ところで、日も暮れてそろそろみんなが帰り出すと、必ず毎年、同じような光景と出会う。
「ちょっと」
同い年のKさんがワタシを手招きする。彼には出社早々お礼をいただいた。そのうえに何の用なのだろう。仕事のことか? にしては、このコソコソした手招きはいったい。
「つかぬことを伺いますが、所長のぶんのお返し、渡したっけか?」
「…はい、いただいたけど」
難しい顔をしているので、どうしたのかと尋ねたら、なぜかお返しがあまってしまったという。
彼と所長はまったく同じ顔ぶれからチョコをいただいたらしく、彼は今日1日、自分の分と所長の分を抱き合わせで一緒に配っていた。
「変だなあ」
首を傾げながら、彼は去っていった。
そのすぐ後に、友人男子がやはり「あまった」と大きな紙袋を抱えていた。
君達、どうしてもらったときに名前を控えておかないんだ。
どうしてそれを見ながら配らないんだ。

「そうなんだよねえ」。
彼らは苦笑いする。毎年。

まあ確かに、彼らが受け取るチョコやその他の品々は、かるく十個は超えるだろう。なにせ職場の義理だ。いや、日頃の感謝を込めて送る時期はずれのお歳暮みたいなものだ。
数もさることながら、ただあげるだけで、特別な意味がないからなあ。
これが一つ一つに、「好きです」なんてカードがついていたなら、その数は絶対に忘れないだろう。誰にもらったかだって、忘れたくても忘れられなくなるはずだ。

なにはともあれ、たくさんのお菓子に囲まれ、至福のひとときをすごしながら、
「あげたのに、お返しがない」
なんて、恨まれる人が出ないことを祈るばかりです。


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