2002年03月08日(金)
いえ、そんな高級品の話じゃないです。
風邪も治りかけ、体はだるいし、鼻はつまるし、最後の正念場にさしかかっているらしい。ここで無理をしたら、まず間違いなくぶり返すであろう本日。 職場は大変乾いていた。エアコンの風が渦巻いている。そんなに寒くも暑くもないだろうに、誰もスイッチを切る気配がない。花粉が舞っているから窓を開けられない。つまりこれは換気のつもりなのか。 さっさと切ってやりたかったが、みんなの職場、さらにワタシは一番下っ端、そんなわけにも行かず、仕方ない、ジュースで喉を潤すことにする。こんなカラカラ状態では、あっという間に風邪がぶり返ってしまう。
ワタシは二つ持っている財布のうち、まず自分の財布を開けた。 一万円札がある。しかし、あろうことか小銭がない。1円しか…。 唸りながら、ワタシももう一つの、家計用の財布を手に取った。こちらの方は小銭がチャラチャラいっている。2、3枚という音ではない。よかった。これならなんとか………。 72円。 しかもお札は一枚も入っていない。両方合わせて10,073円。うーん、これは一万円札を両替するしかないだろう。 会社の両替用金庫へ行くと、なんと。千円札が少ない。数えるまでもなく一万円分なんてない。 ふと、誰かに借りようかとも考えた。五十円借りればいいのだ。みんな仲良しだし、誰だって快く貸してくれるだろう。 しかし。 つい数日前、ワタシは同じ状況におちいって百円借りていた。もちろんすぐに返したが、そうそう何度も借りるなんて、小銭と言えども感じが悪い。また貸してなんて言えない。ワタシには言えない…。 前回は千円札くらいあったんだ。あったのに、両替するのが面倒で借りてしまった。なんてバカだったんだワタシ。こんなことになるなら、あのときちゃんと両替していればよかったんだよう。
外には、70円から買えるカップのジュースがある。ワタシはきっちり70円を握って外へ出た。 最初からここで買えよと、そう思われるかもしれないが、ここにはくどい飲み物しかない。コーヒーとかココアとか、量も少なく味も濃い。渇きが癒えても胃にきそう。 でももう選択の余地はなかった。 熱いココアを飲みながら、ワタシは思った。 本当に困ったときのために、横着するのはやめよう。 ああ、なんかますます喉が乾いてきた。 一万円あるのに、ジュースが買えないなんて。
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