「あ・ん・ぜ・ん・う・ん・て・ん・しゅう・りょう」
と大声を出して自分を褒めた。
とても立ち上がれないので目をつぶると、「きぃいいいいいいいいいいいいいーーーー」
という耳鳴りがする。
顔があんぱんになったように高熱で膨らんだ錯覚と、頭痛が合わさって聞こえてきた。
そして幻聴が天から降ってきた。
黙って俺についてくればよか!!
黙って俺についてくればよか!!
朝、39度の高熱が出た。明けがたの夢に、官兵衛が出てきて言っていた。
おまんはゆうことききんしゃい。悪いようにはせんからな。
夢の中では大きな道路の裏道をひたすら歩いていた。
すると、横に四車線、縦に六車線の大きな道路に迷い出た。
右の脇道から本道に入ってしまい、「この道は私の進むべき道ではない」と違和感を感じながら歩いていた。
少し行くと、交差点の左奥に官兵衛がいて、大きな声で私の方を見ていうのだ。
黙って俺についてくればよか!!
黙って俺についてくればよか!!
おにーちゃん!
ハッと官兵衛の肩の上を見ると、遠くて小さくなった母親が手を振っている。
おーい!
ハッと母親の横を見ると、口下手で老いてよぼよぼになった80歳の父親が手を振っている。
時々、母親が父親の方を見ているから、急かしているのだろう。
おとーさんも手をふりなさいよ!
と。
私には気配が察せられていた、交差点のかなり手前で四車線の道路を渡ると、脇道があることを。
私にはそれが私の道のように感じた。
官兵衛が呼びかけてくる。
お前の生きている時代に名前を残し、金を摑みとり、平和を勝ち取るにはこっちの道だぞーーーー
と。
もう、脇道はいいだろう、結婚もして、子供も出来て、教育費もいるし、家も、外見も必要だろう。
と。
お前は十分やったよ、頑張ったよ。
今日だって9度の高熱なのに学生が昨日来たから、鮮度を失わない間に、3クラスで伝えたいからって、40度もの高熱になっちまったじゃないか。
と。
官兵衛さん、官兵衛さん、
私は、雪の降る下、真っ暗に近い脇道を歩いて来ました。
沼の上では凍っているだろう、という箇所を探して渡って来ました。
何度も、沼に落ちてしまって片脚全部の時もあり、全身ずぶ濡れになってしまい風邪をひたこともありました。そうして此処までやってきたのです。
だから、もういいだろう。十分だろう。お前は両親の成功した道を進めばいいじゃないか、
悪いようにはせんからな、まかしてくれい
官兵衛さん、私は貴方の才能を認めています。
司馬遼太郎さん、池宮彰一郎さんのように認めています。
けれども、評価は真反対です。
官兵衛さん、あなたは日本の戦乱の世を終わらせるために何をしましたか。
長政さんは、確かに家康公に利用されました。
名将後藤又兵衛にも恥をかかされました。
けれど、大御所に着き、日本の戦乱を終わらせるために多大な仕事をしたのです。
愚直です。
私は長政さんと心では一緒に手をつないでいきたいのです。
なにをゆーとるか、こっちばきんしゃいね!!
官兵衛さん、有り難う。
ご両親様、有り難う。
家族の皆、有り難う。
世界の方々、有り難う御座います。
心から感謝しています。
車から降りて直ぐに布団に入らず、こうして書きとめるのは、私が愚かで忘れてしまうからなのです。