また、そろそろ蜩が這い出てきて
また、そぞろに蜩が騒ぎ出して
また、そろそろお口が這い出てきて
また、そぞろにお口が騒ぎ出して
四季の運行に支配される蜩はロゴスで
各自の逸脱に支配されるお口はノモスで
どちらも、イデアから遠望すれば、臭いオナラと代わらない雑音
どちらも、訴えかける価値もなく個性もなく、一瞬で霧散する雑音
「はぁ、またくだらぬ音がしている」
と心の主はつぶやく
「はぁ、また顔面に出ていないか」
と心の表は警戒する
「はぁ、またこうして死へと近づいている」
と心の奥底は厭きれる
「はぁ、また厭世の罠にはまらないか」
と心の友は突き刺してくる
遠望が臨界になるように、なるように。
私は死者や唯一神やイデアに絡み取られてはならない
それが、人類の歴史が私に教えてくれたこと
なんとか、踏みとどまろうと、肉体の眼へと心を戻す
それが現在の私の在りのまま
付記:「望」は比較的高い地点から観ること。この場合はイデア界や神の世界を示唆。
「臨」は比較的低く近い地点から観ること。この場合はこの世を示唆。