いつものことさ。そういつものことなんだ。
もう彼女の性格は解っていたじゃないか。
そういう側面があるって影がありありと見えたじゃないか。
「それ」が、ちょっと分りにくい所にあって、
けれど見つけられるようにして、自分ではそんなことにすら気がつかないで。
自分ではそんなことに気がつかないのに、俺がショックを受けるように、書いている。
そうやって自分を捨てて欲しいという、感覚を「それ」の裏に隠している。
けれど、見て欲しいという叫びも「それ」の裏に隠している。
そして自分では、全く見られることを想定していないと無意識を疑わない。
いつものことさ。そういつものことなんだ。
ただ、それが無性に悲しいだけ。
「それ」の内容も。
俺も。
彼女も。
2人を理解する知性も。
そしてこの世界が時間によって終わっていくのも。
超えられない時間と存在の壁。
保育園のブロックのようには崩せない壁。
ただ、それが哀しいだけ。
くだらなく哀しいだけなんだ。
いつものことさ。
そういつものことなんだ。
執筆者:藤崎 道雪 (校正H15.9.4 )