「そうすると貴方は独りでやってこられた訳ですね。」
「そうです。」
「何故、大きい所や他人と一緒にしなかったんでしょうか?」
「猫科の個体は最大300kgになり、犬科は70Kg止まりなんですよ。そういう理由です。」
「つまり?」
「つまり、独りで狩をする猫科は個体の体重が大きくなった。
一方、集団で狩をする犬科は命令系統が発達する代わりに個体が小さくなった。
どこかに属するってのは犬になるって考えたんです。」
「・・・」
「・・・」
「・・・、ああ、なる程、貴方は猫のように天邪鬼(あまのじゃく)っぽいってことですね。」
「あはは(大笑)」
「・・・」
「面白いギャグですね。素晴らしい貴方は。」
「え?どうしてですか?」
「日本には謙譲が美徳とされます。わざと自分を貶(おとし)めて私の志を高めてくれたからです。」
「そこまで考えては・・・」
「自然に出来るのはさらに素晴らしいですね。無我の境地ですね。いや全く大した人です。」
執筆者:藤崎 道雪(H15,6,27校正)