■2003年02月12日(水)
  ― 神の手を持つ男 & タイのおじさん最終回 ―
 お出かけざんまいの今日このごろ。その合間をぬってバイトの仕事もしちゃって、私ったら活動的じゃん(汗)。お出かけが多いっていうのは外食も当然多くなるよね。お腹はいっぱい、体重増えて、おこづかい減る。給料日まで待ち遠しすぎる!
 先週日曜日はBEN FOLDSのライブに行ってきたよ。今回はバックバンドなし、ピアノだけ。まさにベンちゃんのピアノの素晴らしさが際立ったライブだった。神業だよ、あの弾きっぷりは。手と指の動きがスゴイんだってば、もう。感動しちゃった。
 とはいえ、ピアノだけではどうにも困っちゃう曲もあったりして。例えば、ホーンセクションのパートがたくさん入る曲とかね。そこで、ベンちゃんは観客に口でホーンセクションパートやってもらったんだよ「パラッパ〜パラッパッパッパ〜」って(汗)。ん〜、そういうのってなんて言うんでしょうね、アカペラ?じゃなくってヴォイスなんとか?…すいません、そのへん、疎くって。とにかく、あまりノリが良いとは言えない日本人観客にそんなことできんのかぁ、って思ったけど、みんな意外にちゃんとやってた、ハモってた!それも感動。

 さてさて、もうそろそろ終わりにしたいと、当の作者も心から飽き飽きしている「タイのおじさん」シリーズ!

 (5より続く)
 今回は買い付けが目的の旅 、バンコクに着いた翌日から私たちは大忙し。2日目は一日中市場を回って様々な品を買い漁っていた。タイ独特の湿気と熱さ、そして市場のたくさんのお客さんに揉まれて、ホテルに戻る頃にはもうクタクタ。鍵を開けて私たちのお部屋に入ると、あれ?なにかカードみたいなモノが落ちている…。それは私へのメッセージカードだった。送り主はもしやあのタイおじさん?!
 なんでココに泊まっていること知ってるの?はっ!思い出した。昨日、空港で、リムジンの件でおじさんに見せたホテルのバウチャー券に、ココのホテルの名前も住所も書いてあったんだった!チェックしてたのかぁ、おじさん。驚いたけど彼ならやりかねない…さすが。
 なんて感心している場合じゃないよ、カードにはなんて書いてあるんだ?って読んだところで私にわかるわけがないのよ、これがまた。な〜んとなく把握できたのは「バンコクの名所を案内するよ。食事も一緒にしたいから、電話して」と電話番号まで書いてあった。
 バンコクにまで来て、理解不能な英語&親切攻撃の中で過ごしたら、たぶん私、発狂しちゃう!おじさんには悪いけど、一緒に過ごす気にはなれない。このまま無視かな…仕方ないよね。
 しばらく休憩したらまた出かけようか、とKIMOと今後の予定を決めていると、電話がかかってきた。今日、市場に付いてきてくれたコーディネーターの女性かな、と思って電話に出ると…聞き慣れたあの声!「きゃ!お、おじさん!」。
 「今、ホテルのロビーにいるからおいで」。…おじさん、私、疲れているのよ。慣れない英語を聞き取れるほど脳が働けるような状態じゃないのよ。しばらく受話器を手にボーゼンとしていると「早く!」。仕方ない。本当に泣きたくなってきた。
 ロビーに降りるとおじさんは満面の笑顔だった。「ぼくねぇ、火曜日以外だったら空いているんだけど、観光案内はいつにする?月曜はどう?」 このお誘いを断るには英語でなんて言えばいいのよ〜(泣)。
 私「この旅は観光目的ではなくて、友達の仕事の手伝いで来たの。だから観光はいいんです」
 おじさん「じゃあ仕事終わったら行こうよ。何時に終わる?」
 私「でもね。バンコクに日本人の友達が住んでいて今日も一緒だったの。今夜の食事も彼女と一緒だから(もちろんウソ!)」
 おじさん「ぼくのこと、疑っているんでしょ。大丈夫、案内したからってお金なんて請求しないから。だから行こう」
 私「そ、それにね、私英語が全然わからないから、せっかく案内してもらっても、理解できないですよ」
 おじさん「まったまた〜、理解できないなんて。ちゃんと会話、成立してるじゃない」
 いや、してないんですよ、会話成立。今の会話だって、おじさんの言葉の7割はわかっていなくて、あとの3割やっとわかった部分だけ再現してんだから。とにかくなんとか「観光には行かない」ことを納得してもらってホッとした。それもつかの間、今度はおじさんはカバンから大きなチョコレートの箱を取り出した。「これあげる」「いえっ、いいです」「なんで?部屋で食べればいいじゃない」「いえっ。チョコだったら、私たちも日本からいっぱい持ってきたから(コレはホント)」
 おじさんは、今度はカメラを取り出した。「記念に撮るよ。ハイ、このソファにこう座って。そう、ナナメにこちらを向いて。もっとこっち!ハイ笑って〜。」 もう完全におじさんのペース。「じゃあ、次はポーズ変えてもう一枚!」…こんなに写真撮ってどうするんだろう?単なる「記念写真」の域を超えているような気がするんだけど。
 「あの、部屋で友達が待っているから。もうすぐまた外出するつもりなので…」と言うとやっと帰ってくれる気になったみたい。
 そして最後の最後におじさんはスゴイ言葉を残して帰っていったの!「あのさ、他人のこと簡単に信用しちゃいけないよ、ぼくのこともね。悪いヒトかもしれないからね」。え〜っ!一体そりゃなんなんだぁ?この「オチ」をどう捉えたらいいのよ…。 (「タイのおじさん」・完)




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