2002年06月13日(木) |
平岡梓とその息子、平岡公威 |
私の敬愛してやまない、三島由紀夫さん。 そのお父様の平岡梓さんが語る、三島由紀夫という一人の人間の記録を読みました。 その生い立ちから、割腹自殺を遂げる前夜の様子。 父でしか知りえない、素顔の三島由紀夫さん。 題は、何だったんだろ? 「倅・三島由紀夫」だったかな?
と、いうのも、高速バスの中で読んでいて、降りる時、忘れてきちゃった。 かなりショック! バス会社に連絡したんだけど、見つかってないって言うし…。
もとい。 この本を読んで、感じたこと。 「やっぱり、三島由紀夫さんって、家族思いのすごく優しい人だったんだなあ」
家族を大切にする人。 これ、とても大切ね。 私は、家族のことを大事に思える人って、無条件に尊敬する。 自分が、家族に対してろくなことしてこなかったから…。
もとい。 三島由紀夫というと、理知的で、耽美的で、どこか冷たい印象が一般的だけど、 人間への、時に容赦のない、鋭い観察の底に流れているのは、 冷徹な批判精神ではなく、 人間の弱さや矛盾に対する、あたたかいまなざしなんだよねー。
ああ、どうして、私は同じ時代に生まれてこなかったんだろう。 一目お会いしたかったわあ。 そして、願わくば、恋のお相手申し上げることができたら。 鼻血出そう!!!!
まるで、三島キチガイと思われてもしかたない、熱の上げようなのですが、ミシマ狂でなくとも、この本は十分面白いと思います。 平岡梓氏の文章は、お世辞にも上手とは言えないのですが、 抜群にウィットに富んでいて、すごく個性的。 華族の血をひき、帝大法学部を出て、官僚一筋の道を歩まれた方とは 到底思えません。 「この人にして、三島由紀夫あり!」です。
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