駅からの帰り道、夜風を受けて自転車をこぎながら、 口からこぼれ出たのは、山崎まさよしのあの曲。 なんて言ったっけ?
♪いつでも 探しているよ どこかに 君の姿を 公園のすみ 路地裏のかげ こんな場所にいるはずもないのに
って、感じの、あの曲。
八分そでのシャツ一枚では肌寒い夜は、人通りもまばらで、 私は、声に出して歌う。 ギアを速に入れて、こぎながら歌う。
♪願いがもしもかなうなら 今すぐ君のもとへ 失うものは もう何もない すべて捨てて 駆けつけてみせるよ
あの人が、ギターで弾きながら歌っていた曲。 私は隣で聞いていた。 「誰のことを想って、この曲を歌っているんだろう?」 って変に冷めた気持ちで。
私は、あの人以外の人を思い浮かべてこの歌を歌うことはないだろうな。 ちぇ。
今日は、あの人が、私を想ってこの曲を歌っているところを想像して眠ろう。
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