桐野夏生 朝日新聞出版 2018
STORY: 両親が夜逃げし、叔父夫婦に預けられた真由は、ひどい扱いを受け、渋谷のラーメン屋でバイト。家に帰りたくない真由はリオナという少女と出会い…。
感想: 渋谷を徘徊する女子高生。家に帰りたくないのは、その一人一人に様々な理由がある。そして、居場所がない彼らはあまりにも無防備でだまされやすい。
真由は何不自由なく両親の愛を受けて育てられてきたのに、突然、両親に親戚の家に行かされる。決まっていた私立高校への入学は難しくなり、公立の学校に変えたものの、勉強をしたい子が集まってくるわけではないその高校には全くなじめない。
叔父夫婦の家は経済的に苦しく、高校生の子供を預かる下地がなかった。そのため、小遣いもろくにもらえず、ご飯も満足に食べさせてもらえず、真由は居場所がない。
そんな環境に嫌気がさした真由は、渋谷のラーメン屋で雇ってもらう。そのことから様々な出来事に巻き込まれていく。
渋谷には女子高生を食い物にするような様々な職業があり、また居場所がなくフラフラしている女子高生を誘惑する誘いもたくさんある。
真由は行き場がなくて困っているので、泊まるところがあるとか言われると、すぐに相手を信用してついていってしまう。または自暴自棄になってついていってしまう。
普通行くかなー?って思うようなところで行ってしまい、結局危険な目にあって、逃げ出す。
学習しないなーとも思うけど、これが実際の女子高生の姿なのかもしれない。
真由が出会ったリオナやその友達のミトなどは、両親がひどく、子供の頃から信用できる大人が周りにいない。
そして、3人はぶつかり合いながらも一緒に生活する方法を模索したりする。
多分リアルなんだとは思うけど、あまりにも衝撃的な話で、自分はこういうこととは無縁で生きてきたけど、それは幸運なことだったのかなーとか、考えてしまった。
とはいえ、どうなるのか最後まで目が離せず、結構一気に読んでしまった。この先も知りたかったんだけど…というのが、正直なところだけれどね…。
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