  角田光代 角川春樹事務所 2014
STORY: 夫と結婚して専業主婦となった梨花は、銀行で働くうちに大学生の光太と出会い、深い仲になる。光太の借金を返すために、顧客のお金を横領したことをきっかけに、次第に梨花の行動はエスカレートしていき…。
感想: ドラマ化や映画化もされ、見たいとは思いつつ、見られなかったこの作品。
原作を読んで、お金って何だろうと考えさせられた。
結局人と人とのつながりはお金では買えない。そのことに気づかない登場人物たちが痛いし、哀れなこと…。
梨花がお金を横領するきっかけになったのは、夫の無関心にもあったと思う。
結婚しても、自分のお金で食わせてやっているという優越感を持ち続けたかった夫。妻との触れ合いを避け、子供の話も避け、常に仕事に逃げて、妻の気持ちを慮ることのなかった夫。
そんなときに光太という若い男が、自分の体をほめて好きになってくれた。触れ合いを求めていた梨花は光太との交際にのめり込んでいく。
こんな夫であり、光太という若い恋人ができたのなら、横領などせず、離婚して光太と付き合えばよかったのではないか?とも思う。
光太は決して、梨花が贅沢な暮らしをさせてくれるから梨花に惹かれたわけではなかったのに、梨花はそのことに気づかなかったのだろう。
自分の容姿や年齢に自信が持てず、どんどんドツボにはまっていくのが哀れである。
何か違う未来にすることも可能だったんじゃないのかなーと、ついつい考えてしまった。
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