山田詠美 2007 幻冬舎
STORY: お互いに42歳同士の慈雨と栄は付き合うようになり、2人だけの生活リズムを楽しんでいるが・・・。
感想: 山田詠美は昔から合わない気がして、ほとんど読んだことがないのだが、面白そうで読んでみたら、結構はまった。
女で独身・42歳となると、色々複雑な身の上になってくる。慈雨は実家の両親とともに二世帯住宅で暮らす。下の階には兄夫婦と姪っ子が2人。姪はすでに一人は大学生、一人は高校生である。父に出してもらったお金で友達とともに花屋を開きそこで働く。
栄は天涯孤独で乗り物酔いがひどいため、自転車で行ける範囲しか出かけることができないという不思議なキャラ。一見女々しく情けない男だが、慈雨にはそんな男がぴったりだったのである。
この2人のお互いを愛する気持ちが書かれていて、何だか満ち足りた気分になれる。幸せな気分に・・・。
でも、最初からの疑問は、なぜこの2人はこんなに気が合うのに結婚しないのか?ということであった。ここまで相性がいいなら、年も年だしすぐに結婚した方がいいのではないか?とか。
ここから多少ネタバレありになってしまうかもしれないんだけど、最後まで読んでみて、なるほど〜とちょっと納得。
元々この小説の始まりでは2人は45歳になっている。でも、45歳まで結婚はしていない。42歳で出会い、そこから1年ちょっと付き合ったところまでを描いている。2人はこのあときっと結婚するのだろう・・・と好意的な解釈をした。
愛っていいな、相思相愛っていいな・・・って素直に思えるちょっと幸せな話だった。
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