2005年09月07日(水) |
キップをなくして 池澤夏樹 |
池澤夏樹 角川書店 2005
STORY: キップをなくしたイタルは同じような子供たちが集まる詰所に連れて行かれ、「駅の子」として働くことになるが・・・。
感想: この本は大人向けなのだろうか。それとも子供向けなのだろうか? どちらかというと、大人より子供が読んだ方がいいのではないかと思う作品だった。
色々と工夫が凝らされていてつまらないとは言えないけれど、かといって面白いとも言いがたい。大人の頭で読んでしまうと、どうしてこんなことが? こんなことありえない・・・とついつい思ってしまうのだ。もっとファンタジーテイストが強いとかなら割り切って楽しめるのだが、描写がリアルなところがあって、どうもそういう部分が引っかかった。
ちなみに作品中の言葉などより、どうやらこの作品の舞台はかなり昔だ。昭和50年代を描いているらしい。台風の「ヘクトパスカル」は「ミリバール」だし、青函トンネルもまだできていない。
鉄道ファンには多分楽しめる作品なのではないかと思う。
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