2005年06月19日(日) |
いのちのハードル 木藤潮香 |
「1リットルの涙」母の手記 木藤潮香 幻冬舎文庫 (1989)2005
『1リットルの涙』の木藤亜也さんのお母さんが後にまとめた本。
不治の病であると宣告されたときから、どのように接していくか、亜也さんが少しでも気分よく過ごせるようにという配慮をどのようにしていったのかがよくわかった。
病院の医師についてや、家政婦さんについて、またもっと時代をさかのぼれば学校の対応について・・・色々と悔しいこともあったのだろうなと思った。でも、結局今の実情はそういうことで、なかなか難しいのだろうとも思った。
今もこの病気は治療法が確立されていない。どうして世の中にこのような病気があるのだろうと思う。とても残酷だ。
自分が親の立場でも子の立場でも、どちらでもつらいなと思った。家族は介護や病院通いをしなくてはならない。一日中ついていてあげたくても、経済的事情なども許さず、結局家政婦さんを頼むことになるが、中にはひどい人がいたりする。子としても、自分がどんどん弱っていくのを感じ、意志を伝えるのもままならないまま、どうして生きているのだろうと思い日々を過ごす。そんな子の様子を見なくてはならない親もすごくつらいだろうと思った。
本当に世の中にはどうしてこういう病気があるのだろう。早くこのような病気の治療法がわかるといいのに・・・と心から思う。
★『1リットルの涙』 →その感想ページ
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