感想メモ

2004年12月14日(火) 妊娠カレンダー  小川洋子

妊娠カレンダー 小川洋子
文春文庫 1994

STORY:
精神を病む姉、義兄と3人で暮らす私。姉が妊娠し、その姉に意地悪な気持ちを抱くが…。

感想:
 このところ、小川洋子の作品がすごくよかったので、他の作品もないかと探し、なんとなくタイトルが面白そうなので借りてみた。短編が3つ入っていたのだが、時間がなかったので表題作のみを読んだ。

 姉が妊娠し、子供を生むまでの日々を日記の形式で書いているのだが、もっとほのぼのした話を想像していたら全く違う話でびっくりした。表紙には「毒を盛る」みたいなことが書かれていたが、そこまで過激には取らなかった。ただ子供が生まれてから後のことはないので、どうなったのかはわからない。

 小川洋子の本は『ブラフマンの埋葬』もそうだったが、もしかして日記のような形で綴っていく形式が多いのだろうか。どちらかというと淡々と事実を述べるような文章なので、この形式は客観的に物事を伝えるのによいということなのかもしれない。

 ただこの作品はかなり昔の作品ということになるのだろうが、最近の作品に見られるようなちょっと暖かな気持ちになるような部分があまりなく、かなり冷たい印象を抱くかもしれない。やはり最近の作品の方が私としては好みのような気がする。


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