2004年03月30日(火) |
走るジイサン 池永陽 |
池永陽 集英社文庫 2003
STORY: 長年鋳物工場で働いていた作次は仕事を引退し、息子とその嫁と同居しながら隠居生活を送っている。ある日、頭の上に猿が座っていることに気づくが…。
感想: 不思議な話だった。不思議な後味だった。猿が何かの象徴なのだろうけれど、私にはそれが何なのかとかはどうでもよかった。ただ単に老人の日常がつづられている感じで、それがすごく面白いというか、不思議に引き込まれる感じがした。ただの日常。隠居した老人たちの話。でも、そこには色々な悩みや葛藤もある。誰もが老いる。でも、それを忘れているんだなーと思わされた。男の生理がわからない私…。きっと男性が読んだ方がさらにこの感じがわかるんじゃないかな。
しかし、ラスト…これが何を意味するのかは人それぞれ意見が分かれるところだろう。作次がどうなってしまったのか…。
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