感想メモ

2003年04月01日(火) まんてん

 NHK朝の連続ドラマ「まんてん」が終わった。

 最初の頃、ものすごいつまらなくて、生理的に受け付けないような感じがして、もう見るのをやめようかと思ったほどだったのだが、大阪編に入ったあたりから段々面白くなっていって、最後まで結構楽しめてしまった。何といっても脚本が緻密だったと思う。話に無理がなかった方だと思う。この枠のドラマはやっぱりいつでもどうしてそうなるの?というようなわけのわからない展開とかになることが多いのだが(多分そうしないと半年とか長期間持たないんだろう)、このドラマはそれが少なかったように思う。

 また、たとえばどうして?と疑問に思うようなことも、そのあとで(数日後とか数ヵ月後であるが)その時の心情などをきちんと描いていて、なるほど、そういうことだったのか・・・というのがよくわかるようにできていた。また、回想シーンの使い方がとてもうまく、いつもなら回想が入るたびに時間つぶしか?なんて思ってしまうのだけど、このドラマの場合はそれが効果的にうまく生かされていて、余計に感動が深まっていたと思う。

 最初の屋久島時代、ここで挫折して見るのをやめた人も多分多いんだろうと思う。私も見るのをやめようかと思ったくらいだ。(今まで大学時代あたりよりずっと見てきているのに) 何といっても主人公の満天が突拍子がなさすぎるし、母親の美帆子(浅野温子)がものすごい怖いの。一体どうして自分の娘に対してこんなにきついんだろうと思ってしまう。

 しかし、大阪編に入ってからは大阪の個性的な人物に引きずられるように、段々話に入り込んでいけた。どの人も個性的で面白かったし、話に無理がない方だったと思う。

 大学に行かず宇宙飛行士になれるのか?という問題も、今は無理だけどこの話では・・・という設定でかなえられた。ドラマだから、そういう断りをいれてくれれば特に問題はないかなと思ったし。

 で、実際に最後には満天は宇宙へ行ってしまう。最初、このドラマが始まる前に主人公が宇宙飛行士を目指すなんて、また大それたドラマできっと失敗するぞと思っていたけれど、これがなかなかそうでもなかった。やっぱり宇宙に行って、宇宙から見た地球の姿なんかを見せられると本当にきれいだなーと思うし、思わず画面に目がくぎ付け。私たち人間ってこんな地球の中では本当にちっぽけな存在だよね。なのに、今は戦争がおこっているけれど。

 このドラマの途中でコロンビアが帰還中に爆発事故を起こしたこともあって、宇宙へ行くということがどんなに危険を伴うものなのかがよくわかった気がした。私はあんな事故(チャレンジャーのような)はもう二度と起こらないと思っていたけれど、やはり人間が作るものに絶対はありえないんだなと思ってしまった。それもあってドラマが決して大げさではなく宇宙に行くとは危険であり、戻って来れるかわからないのだということを伝えていたのだということがわかった。さらに、宇宙を目指す人というのは、自分が死ぬのを覚悟で、それでもいいから宇宙へ行きたいのだということも。どうしてそうするのかわからないけど、地球に人間がいる限り、絶対に宇宙への渇望のようなものは消えることがない。確かに危険でお金も膨大にかかって一体何の役に立つのか?と思われる面もなくはないが、やはり人間って冒険心、未知のものへの欲求みたいなものがあるものなんだなーと思った。

 最後、宇宙からの帰還のシーンがなかったのはちょっと残念だったが、うまい具合にまとまっていてよかったように思う。最初のイメージで見るのをやめてしまった人はちょっともったいなかったかも・・・。


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