2003年02月23日(日) |
世界でいちばん優しい音楽 小沢真理 |
全16巻 講談社 1993〜2000
STORY: 駆け落ち同然のように暮らし始めた皓(あきら)と菫子(スウ)。二人は子供が生まれたら入籍しようと誓い合っていたが、皓は子供が生まれる前に他界。スウは生まれた子供のんのんと二人での生活を始める。ママとのんのんのやさしくほのぼのとしたやり取り、そして、周りの人々のことが綴られる。最初は3歳だったのんのんも最後には4年生へと毎年成長していく。
感想: 面白い小説とか漫画とかを読むと、いつもすごく続きが読みたい、先に進みたいと思うんだけれど、その反面、終わってしまうのがとても寂しく残念な気持ちにも襲われる。この作品も例外ではなくて、続きがとても気になるけど、あと〜冊で終わりかーと思うと、段々寂しさが募ってきた。久しぶりに漫画の長編を読んだけれど、やはり読んで正解だった。
この漫画を読もうと思ったのは、友達のお見舞いの品を探している時だった。上原君子の作品が文庫化されたものがあって、こういうのもいいかなと思ったのだけど、その作品はバレエとは関係がなかったし、入院中って気分も悪いだろうから、あまり文字が詰まったようなのとかは読めないかなと思って、結局買うのはやめたんだけど、そのときにふと目に止まったのだ。なぜ目にとまったかといえば、タイトルに「音楽」とついていたから。バイオリンをやっているから音楽が取り上げられている作品も読みたいなーと思ったりしていたし。そして、確かその表紙にはお母さんがチェロをやっている姿が描かれていた。それを見て、文庫化されているのだし、多分人気があったのだろうとも思ったこともあるし、読んでみようと思った。幸いなことに図書館にセットがあったんで早速予約。
実はこの漫画、一番最初はのんのんが高校生という設定。この1話目を読んで、あれ??って思った。あまり面白くないじゃーんという感じ。私は表紙のあらすじから子供とお母さんのほのぼのストーリーだと思っていたのに・・・とちょっと拍子抜けだった。でも、この話は実は読みきりだったみたいで、本当の話は3話目あたりから始まる。そして、ここから先は本当にこの世界に飛び込んでよかったーというくらい面白い。なぜ最初にこの話を入れてしまったんだろう??って本当に思う。漫画の1話目を読んで、面白くなかったら長いものは買わない人だっているだろうし・・・。入れるにしても別のところに入れたほうがよかったと思うのだが。
ところで、この1話目はのんのんが高校生になったときの話だと前にも書いたが、実際のストーリーが進むに連れ、この1話目の設定が邪魔になってきたみたいで、結局この話は最後の結末には結びつかない。一応その後のエピソードの中で、成長したのんのんの夢ということでつじつまあわせをしてるんだけど。
まあ、何はともあれ、面白い。子供ってこんなだよなーと思うし、何より漫画の中でのんのんが成長していき、それにつれ行動が変わっていくのが面白い。作者の娘さんがのんのんと同じような年だったようで、書きながらともに成長していったんだろう。「子育てはこんなに簡単じゃない」という批判などもあると聞いたのだが、子供を持つ人には是非是非読んでもらいたい作品の一つ。
ちなみに私はモーリと西園寺さんが結構好き。2人のその後は子供が生まれたりしたんだろうか・・・とちょっと想像してみる。
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