夕菜の日記
夕菜の日記
夕菜



 現場実習はじまる
2003年02月19日(水)

いよいよ実習が始まりました。

今日はなんとも優雅な雰囲気の1日でね…
とっても楽しかったっていうのが第一印象でしょうか。
長い三週間の、良いスタートをきりました。

デイサービスの施設へ行ったのですが、
そこがね…痴呆の方専用の定員も10名と少ないこじんまりとした規模の施設。

「おお!いいところにお住まいですねぇ〜」とうっとりするような
土地に存在するだけあってね〜
うっとりする豪邸が立ち並び…車でお迎えに同行したときにもね〜
利用者様のお宅はみんな立派で…
お家から出てこられる家族の方も利用者さまも上品♪

普通のセーターとみせかけて、
高いよなぁ〜コレ…

とコミュニケーションをはかって肩に手を回したりするたびに
カシミヤの風合いを感じていた元アパレル商社勤務の私でした(笑)

いやぁ〜何を勉強しているのだ?!

そんなことはどうでもいいですよね。
今日来られた方はみなさん軽度の方だったというのもあるのでしょうが、

特養の実習の時に出会った痴呆の方とはこれまた
全然違う雰囲気でしたね〜。
一見、普通に会話ができてどこが痴呆?!と思える方たちばかり。

でもね〜お昼すぎてからはあれこれちらほらと出てきておりました。

回覧して楽しみながらわいわいと見たはずの写真をポケットに隠していらしたり、それを「見せてくれたらいいいのに!全然しらなんだ〜」って
おっしゃる方がいたり。

都合が悪くなると「いや〜んそんなの、忘れた〜」と頻繁におっしゃったり、
「下手くそだから」「覚えてないから」「はずかしいことやわ〜」などなど…。
短期記憶がばさっと欠落しているところは目の当たりにできました。

でもね…
長期記憶はしっかりされているんですよ〜。

色鉛筆でぬりえをやったときに、
「こんなん、ほとんどやったことないからね〜」とおっしゃって、
何色を塗ったらいいのかがすっかりわからなかったり
さっき塗った色をもう忘れてしまっている方にね…

学校に行ってらした時以来ですかぁ?
と話し掛けてみると…

実にしっかりと「いやぁ〜私らの学校時代は、戦争中やったからねぇ〜
こんなことしてる場合じゃなかったわ。防空壕へ逃げな、ならんもん」と
あれこれ話してくださる。

そうかぁ〜そうですよねぇ〜。
何回も防空壕に入られたんですか?なんて会話を交わしていたら…

「私は田舎やったから、そんなことな〜んもなかったわ」などと
違う方も会話にどんどん参加されて…
ホント普通の談話室状態なんですよね。

人間の脳ってホント不思議です。

不思議というか、
笑いそうになりながら笑えなかったのがね〜
雑誌を読んでいらした話好きのにぎやかな利用者さまがね…
隣の人に一生懸命になにやら話していたのですが…


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大きな声で「あら〜!これがいいそうな!!」などと話されている姿はに、
職員一同後ろで顔を見合わせて肩を震わせて笑いをこらえていたことでしょう♪

だけどね〜
ホントご本人は自覚されていないんですものね。

健康に気を付けていつまでも楽しく楽しく暮していくことができますように…
と心からそう思いました。

みなさんとってもいい笑顔で、ホントいい顔をされているんですよね。
しかし…私たち他人は限られた時間内だけを高いテンションのままで
利用者さまが「楽しい」と感じてくれるひとときを提供すればいいのですけど、
家族の方の介護負担は相当なものだなぁ…と思います。

まだまだ私にとって「痴呆」は謎の分野ですけど、
人格を備えたごく一般的な老人となんら変わりないんだよなぁ〜
と思います。

ノーマライゼーション…
地域で普通に暮していける社会…がもっと確立していくためには
もっともっと周囲の認識とサポートが必要だろうなぁ〜と
複雑に漠然と考えたりもしましたが

今日の施設の職員の方たちはホント優しくて上品で明るく楽しく、
何よりも利用者さまに対する思いやりの心にあふれていて、
利用者さまと熱い信頼関係が見える雰囲気だったのでね…

元気とパワーをもらって帰ってきた感じでした。

帰り際に利用者さまから言われましたもの…
「今日は楽しかったか?」って(笑)

利用者さまからすれば、孫のようなものですからね〜。


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