ものすごくリアルなんだけれど、ここまで来ると、 もうそれをとっくに超えているのね。現実を超えた現実感。 これは決して、シュールレアリズムなんかではないのよ。
シュールっていうのは、どうしても個人の枠から出られない、 つまりスタイルのひとつに過ぎないの。 でも現実は違う。目の前にある日常を突き詰めていくと、 その向うに、ぽっかり開いた世界があるのよ。
日常とその向こう側の世界を、私たちはいつも行き来している。 普通にしているから気づかないけれど、いつだって、 こちらとあちらの境目を、私たちは越えているの。 そういう力を持っていることに気づかせてくれるのが、映画じゃないかしら。
★「裸の島」について/岡本敏子★
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