宿題

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2006年01月10日(火) エーガ界に捧ぐ/中原昌也
もっと遠慮なく、映画は世界を破滅させてよいのだ。

過剰に気の利いた映画っつうもの程、見ていてイライラするものもない。

そもそも何かしらショッキングなイメージばかりを並べてビビらそうという魂胆が、
いまどきセコい。

映画なんてどうでもいい。
さらに言えば人間なんて社会なんて政治なんてどうでもいい。
しかし、突き詰めていけば無邪気だって退屈だって絶望だって
無差別殺人だって本当に恰好悪いからどうでもいいのであって
(ああ、何か青臭いことをかいてしまってるなぁ)、
やっぱり誰それが可愛いだの、どんな食い物が上手いだの、
どんな映画が素晴らしいということに真剣になっているのことが
一番信じるに足りるものなのだという結論に至るのだった。

まず、なによりも「金のかかってないSF映画って素晴らしいなぁ!」
ということを声高に表明したくなる。
メジャーだろうがマイナーだろうが制作費がふんだんに使われている映画は
問答無用に全部ゴミだ、クソだと言い切ろう(やっぱり声高に)。
そんな金あったら、他のことに使えばいいのに…。
貴様ら、そんな大金使ってまで儲けたいのか?
既にもうそんなに沢山お金持っているのなら、もうそれで十分じゃないか、
と説教したい。

恐らく実際に宇宙に行けば、純粋な感動よりも「人間という存在って一体何なのだ」
と考え込み、非常に寂しい気持になってしまうのが本当のところなのではあるまいか?

ただ生き抜いていくことによって、無言の(無意識の)抵抗をする。
これは本当に感動的だ。

よい映画でも見て何もかも忘れたい。
別に現実逃避をしようというわけではなく、現実を直視できる人間になるために。

できることならば面白い「非」が遠慮なく乱れ咲いているような映画ばかりが見たい…。

とにかくこの作品を一度は見ろ!そして何か感想が心の中で立ち起こる前に、
きれいさっぱり忘れろ!つまらない批評家にはなるな、とだけ言いたい。

ウブな大人の恋愛話なんて自分のことだけで十分なのよ。

他人が作った絶望的な気分にさせる物語はウンザリだ。


★エーガ界に捧ぐ/中原昌也★

マリ |MAIL






















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