宿題

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2005年11月09日(水) 中学生日記(QQB)解説/水道橋博士
俺の中学生時代──。
岡山大学教育学部付属中学。
詰襟のホックを外しているだけで不良と思われているような、
県下有数の進学校だった。
しかし、言い換えれば、わずか、10代そこそこで、
人生の進路を学歴社会に見出してしまうような、いけすかない連中の通う学校でもある。
もちろん、俺は、すっかり、落ちこぼれた。
長い通勤時間は、教科書より、マンガや、文庫本に熱中する
サブカル好き少年になってしまった。

しかし、俺の学年は、奇跡的に、俺だけじゃなかった。
後に、ロックバンド、ブルーハーツから、ハイロウズのボーカルへと
日本のロック界に巨大な足跡を残す、甲本ヒロト。
そして、もう一人。
後に、元オウム真理教幹部、尊師の主治医として、日本犯罪史上に悪名を残す、
中川智正。
この二人も中学の同級生だった。
甲本ヒロトは、中学時代、ラジオから流れてきた、ビートルズを聞いて、
ロッカーになる確信を持ったと言う。
そして、俺は、中学時代、ラジオから流れてきた、ビートたけしを聞いて、
漫才師になろうと思った。
何度も書いている話だが、それは、まさに、未来への啓示だった。
そして、あの頃、中川は、何を聞いていたのだろう?
しかし、あの中学時代、後の、芸人、ロッカー、カルト宗教人は、
未来の己の姿を知る由もなく、そこではみんなただの14歳であった。
このマンガで描かれる、自分たちで組み立てた常識やルールを守り、
笑いやばかばかしさを共有するその世界は、子供の頃、よく作った「基地」
のような空間である。
今、大人になって、基地から外れてそれを俯瞰してみると、
それは単なる「基地ガイ」の世界なのかも。
ただ、俺を含めて、ここに挙げた同級生3人は、未だに「基地の国」の
住人であり続けているのかもしれない。

甲本ヒロトは、名曲「十四才」という、歌の中で歌っている。

『あの日僕のレコードプレーヤーは
少しだけいばって こう言ったんだ
いつでもどんな時でも スイッチを入れろよ
そん時は必ずおまえ 十四才にしてやるぜ』

『中学生日記』は、14歳への再生ボタンである。


★中学生日記(QQB)解説/水道橋博士★

マリ |MAIL






















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