横尾「自分はこういうスタイルを持ってる、というふうに思ってたのに、 絵を描き出すと自分にスタイルがないってことがわかったんですよ。 何だって描ける━━っていうとちょっと語弊があるけども、 どんな方向でも行っちゃうんですよ。 スケッチ描けば何種類でもスケッチが描けちゃうんですね。 これは困った━━どれかに決めたいんだけど自分でどれも捨て難いわけ。 画面の中に全部のテクニックを入れたくなるのね。 こんなことをやったら統一とれなくなるんじゃないか、とか、 自我と競争しちゃってるんですよ。自分が分離しちゃってね、 それがすごく怖いですね」
★ミュージックマガジン81年10月号/横尾忠則×細野晴臣★
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