(お父さんについて) 「まあ、たまにしか会わなかったですからねえ。 たまに会うとね、お小遣いくれるわけですよ。で、お小遣いのくれ方が、 ポケットの中からもうクッシャクシャに丸められた鼻かんだようなチリ紙を出すわけです。 で、なんか米兵から奪い取ったとかいうジッポでそのチリ紙に火をつけるんです。 掌の上でチリ紙がボーッと燃えるわけ、 そうするとその中から千円札が出てくるという」
「手品なんですよ。あんまりしゃべる人じゃなくて、 黙々と怖い顔でそういう事をするっていう。 でも、それは子供心に『親父はもうなんでもできるんだあ!』ぐらいに、 凄いなあっていうのはありましたよ。 この人はたまにしか帰ってこないけど凄いわっていう」
★JAPAN vol.89/CMJK★
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