宿題

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2005年03月17日(木) デッドアイ・ディック/カート・ヴォネガット
私は人生に罹ってしまった。人生を患ってしまった。

最初は、ほかと区別のつかない無のひとひらだったのに、やがてのぞき穴がぽっかり開いたのだ。

光と音が流れこんできた。

いろいろの声が、わたしと、わたしの環境を説明しはじめた。

その声がいうことに抗議はできなかった。

その声が、おまえはルドルフ・ウォールツという名の少年だといえば、それで決まり。

その声が、おまえの住んでいるのはオハイオ州のミッドランド・シティだといえば、それで決まり。

その声は一度も静かになったことがない。

それどころか、毎年毎年、細かいことをつぎからつぎへ積み重ねていく。

いま、その声がなんとほざいていると思いますか。

今年は一九八二年で、わたしは五十歳なのだそうだ。


★デッドアイ・ディック/カート・ヴォネガット★

マリ |MAIL






















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