宿題

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2005年01月19日(水) Y字路談義。第8回、9回/横尾忠則
タモリ 「Y字路って、どうできるんだろうなぁと考えちゃうんです。

東京の郊外のY字路なんて、ほんとに自然な成り立ちでできたと思うんですよ。

直行する道路とY字路の違いは…『ある一定のところまでは、目的は同じだ』

ということですよね? それから、少し別れるんですよ。

たとえば、目黒不動に行くのか、祐天寺に行くのか、と。

途中までは一緒で、あるところから別れる──

『おたく、目黒ですか?』『あぁ、祐天寺です』『途中まで一緒ですね』

と、おたがいにコミュニケーションを取ったりしながら

『やっぱり目黒不動に行くほうがいいのかなぁ』

と思ったりするわけでしょう? Y字路にさしかかるまでは一緒に進む。

そして、いよいよ祐天寺と目黒不動に別れるときに、ふたりは最終決定して、

『それじゃ』ってそれぞれの道を行くんだけど、Y字路ですから、

急には距離感は広がっていかないんだよね。 まだ、なんか、余韻を残しつつ。

余韻を残して別れてくっつうのがね、またよくて……。

直行する道路っつうのは、お互いに何の影響も及ぼさないでしょ?

わたしはこっち、あなたはそっち、と。おたがい、何のコミュニケーションもとらないし、

もう、ああ、これはまったく違う人だというような……。

でも、Y字路を見てると、なんか、今言ったようなことを思うんです。

そのへんの曖昧さとか、影響しあうところが、なんか想像するとおもしろい。

江戸時代からある道を調べると、Y字路も『右 大山/左 なんとか』

と書いてあったりする。道が別れるところまで一緒にきて、

いよいよここであんたとお別れ、ということになるんだけど……」


★Y字路談義。第8回、9回/横尾忠則★

マリ |MAIL






















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