タモリ 「横尾さんの絵を見て、自分でもY字路に行ってみるわけです。
それで、写真撮ったりなんかすると……やっぱり、昼間はだめなんです」
横尾 「昼間、だめですよね」 タモリ 「ええ。やっぱり夜のほうがいいです」
タモリ 「実際に自分でY字路を撮ってきた写真が何枚かありますけど……
(持ってきた写真を見せる) この写真は、中目黒の飲み屋なんですけど、
おそらく3人か4人しか人が入らないと思うんですよ。
横にトイレがあるらしいんですけど、トイレは内側から入れないで、
いったん外に出るお客がいるの(笑)。どう見ても、4人ぐらいしか入れない空間に、
トイレと客席と炊事場があるんですよね」 糸井 「不動産としての価値は最悪だ。こういう土地があって
『おまえにやる』って言われても、なんかイヤですもんね。
引き受けたとたんに、不幸になりそうな気がするから」
タモリ 「これはイヤですよ。客として入るのがイヤですもんね。
風水的にも良くない。なんか、どうやってもすごいよね」
横尾 「あ、これ……写真としてはいいと思うけど、ぼくだったら、こんな撮り方はしない。
もっとセクシーに撮るためには、『Y字路』を左右対称にしたほうが、
股を広げたみたいな感じになるじゃない?
タモリ 「なるほど。こっちの写真は、目黒のラーメン屋です。
(※ここでタモリさんはもう1枚、写真を見せました)実際に食ってみたんだけど、
味はまあまあです。ギョウザは、ちょっとニンニクが強すぎた」
★Y字路談義。第4回、5回/横尾忠則×タモリ★
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