読書の能率の上らぬのに閉口する。
一日の最大能力を発揮したところで、菊版二百頁位のものか。
それも決して自身のある読方ではないのだか困つた話。
まあ精々通読といった所にすぎぬ。
一生の間に一体何冊読めるかと計算した暇人がいたが、どの様な数字が出てゐたろう。
一日一冊として三百六十冊、一冊はとても無理だらうから、二百五十とまあ減らしてみよう。
己は今二十八、四十になつて、ろくに物も云へぬ淋しさでは情けないから、
四十までと限つて、十二年ある。
計算してみると三千冊、一週間に五冊よんでいつてこの勘定になるわけだ。
三千とまとまると、自分にも、ほのぼのと自信の出てくるのが感ぜられる。
★一読書人の日記/スムース文庫★
■何度も何度も出てくる 「買うばかりで読む方が進まない」 「昔のように読めなくなった」 「本当に欲しいものしか買うのはやめよう」 「読書が好きなわけではなくて、本を買うことが好きなのかも」 「こんなに買うなんておかしいと言われてもしかたない」
という記述が、ここで一先ず決着。 かと思ったけどこの後も同じように悩んでる様子。
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