宿題

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2003年12月15日(月) ふつうがえらい/佐野洋子
それからあと、やたら酒ビンが並び始めた。

私は、「そんなチャンポンに飲むといけないんじゃない」とオロオロした。

朋子さんは、

「こんなのどってことないわよ。私なんか、この年には、三日酔いってのやってたからね。

ホラ、お前、ワダ?ワダ飲もうよ」

「いや、すいませんす、オバサンはこわいなあ」

「こわかないわよ、ほら、ワダ、お前の髪の毛わざとこうしているの?

柄をつけたら、壁洗うブラシになるやんか」

「これ、苦労してこういう型にしてるんですヨ。なかなかつらいもんあるんすよ」


─中略


突然マサノリが「オバさん泣かしてやるぜ」と叫んで

「アンダルシアにあこがれて」をうたいだした。私はすぐ泣いた。

チンピラが彼女をメトロのホームに待たせている間に、ヤクザに撃たれて死んでしまうのだ。

死にながらチンピラは、

「ホームのはじで待ってる、かわいいあの子に伝えてよ。必ず行くから待ってろよ」

と絶叫するのだ。私はオンオン泣いた。


★ふつうがえらい/佐野洋子★



■佐野さんが、佐野さんのお友達の「朋子さん」と、
自分の息子の友達たくさんと一緒に飲んでいる時の話。
「マサノリ」も佐野さんの子供の友達。

マリ |MAIL






















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