「いちばんいい方法はだね。」と、ウサギがいいました。
「ぼくは、これだと思うんだ。いちばんいい方法はだね、ルー坊をぬすんで、
かくしてしまうんだ。すると、カンガが、『ルー坊、はどこにいっちゃったでしょう?』
と、いうだろう。そしたら、ぼくらで、『あはァ!』っていってやるのさ。」
「あはァ!」と、プーは、れんしゅうしました。
「あはァ!あはァ!もちろん、あれだね、ルー坊ぬすまなくたって、『あはァ!』ってはいえるね。」
「プー。」とうさぎはやさしくいいました。「きみは、ちっとも頭がないんだなァ。」
「わかってるよ。」プーは、おとなしくいいました。
「『あはァ!』っていったってね、これは、ぼくたちが、ルーのありかをしってるんだな、
とカンガに思わせるようにいうんだよ。『あはァ!』っていうのはね、つまり、
『おまえが森から出ていって、二度とふたたびかえってこないなら、
ルー坊のいどころを教えてやるぞ。』っていみなんだ。
じゃ、ぼく、かんがえるから、そのあいだ、だまっててくれたまえ。」
そこで、プーは、部屋のすみへいって、そんなふうな声で、
「あはァ!」をいえるようにれんしゅうしてみることにしました。
けれども、この「あはァ!」は、ときによると、ウサギのいうようにもきこえましたが、
またときによると、そういうふうに、きこえないような気もしました。
「つまり、れんしゅうなんだな。」とプーはかんがえました。
★くまのぷーさん/ミルン★
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