宿題

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2003年07月08日(火) サーチエンジン・システムクラッシュ/宮沢章夫
入り口の先はすぐ階段だ。上に進む。

コンクリートの壁に挟まれたどこにでもあるそれは、何段が上がると踊り場にたどりつき、

明かり取りのために作られた小さな小窓がある。

さらに上がろうと上に目をやると、階段の上、左手にドアがあるのがわかった。

あの日、首藤がドアから出てきた記憶が、また一瞬浮かぶ。

「おお」と首藤は言った。

「おつかれさまでした」僕は声をかけた。

首藤はそのまま階段を下りて行った。薄い緑のシャツと茶色の綿のパンツ。

もう七年になる。

七年後、僕の前にはあの時とよく似たドアがあり、

ただ異なるのはドアに横長の小さな貼り紙があることだ。

ドアの前に立って貼り紙を読むと、そこには、やけに几帳面な文字でこうあった。

「ここではありません」


★サーチエンジン・システムクラッシュ/宮沢章夫★

マリ |MAIL






















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