宿題

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2003年05月03日(土) 白洲正子自伝/白洲正子
家に禿げ頭の家扶がいて、何かのはずみで「お可愛らしいお嬢ちゃま」といった時は、

怒り心頭に発し、無言で禿げ頭をめった打ちにしたことがある。

そのつるりとした手応えを今も忘れてはいないが、

私が生れてはじめて口にした言葉は、「バカヤロウ」で、

気に入らない医者が診察に来た時、ひと声叫んで浦団を蹴って逃げ出したことを覚えている。

まったく「お嬢さま」にはあられもない暴言であるが、

それが嵩じて何か気に喰わぬことがあると、廻らぬ舌で、「ブッテコロチテチマウ」と地団駄踏む。

二、三年前に亡くなった兄が、晩年になって、

あれをいわれた時はほんとうに怖かったと白状したので、おかしかったことを思い出す。


★白洲正子自伝/白洲正子★

マリ |MAIL






















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