―あたし、よく人から変わってるって言われるんです」って自分で言う女って
みんな意外と普通だったりするけど、今回の小林エリカって本当に変わりすぎ!
なにしろこいつはテロがあったりアメリカがアフガンに空爆したりした日は、
ウチに帰らないで男の部屋に泊まるっていうルールを決めて、ずーっとウチに帰ってないんだって!
しかもこれは超個人的反戦活動で「戦争するならセックスしません」という趣旨で絶対セックスレス。
そのかわり男のウチで見た夢を記録してゆくことを自分に科しているとか。
小林エリカは「爆弾娘の憂鬱」というHPを運営してるんだけど、そこではこんな宣言文が出てる。
「ウチと夢と戦争の三角関係 A LOVE Triangle。これは超個人的反戦運動です。
『来週の空爆の日に、会いましょう』」
うーん、これは高度なギャグなのか、遅れて来た不思議ちゃんなのか、
とりあえず誰にも頼まれてないのにいまだにこの「homesickless(夢みたい《ハートマーク》」
というプロジェクトを続行している小林エリカに会ってみたよ。
◇
●普段彼女がいる男のウチに私が「空爆あったから泊めて」っていうと、
彼女は怒って女友達とかに言うじゃないですか、「あいつ何人死んだ日に来たよ」とか。
泊まった先の男の人とは一緒に朝ごはんを食べるんですけど、
たとえば一緒に目玉焼き食べたら、違う日に目玉焼き食べた時に
「あ、またアフガンのことを思い出しちゃったよ」みたいな。
あらゆる場所でふとした時に戦争のことを思い出させるっていう趣旨なんですよ。
私は私で例えば恵比寿の男の人のウチに泊まったら別の日、恵比寿に下りた時
「そういえば地上軍が派遣された日、ここに来てたよな」と場所で戦争を記憶していこうって。
◇
―ふーん、ネタじゃなくて本気で戦争反対なんだ……。
●当たり前じゃないですか!
もうウチに帰りたいですよー。比喩じゃなく身を持って言いたい。
もう早く戦争終われっ!
◇
―ところでこの反戦プロジェクト、さすがに親は怒ってない?
●ずーっと家に帰んないから親から電話がかかってきて、「お前どこに行ってるんだ?」って言われた時、
「いや、反戦運動で男の家に泊まりに行ってるんだけど…」って言ったら、
「それはいい考えだ!」って言われて(笑)。「がんばれよ!」って応援されました。
父親からは「ラマダンがはじまって戦争が中断するといいな。お前も疲れているだろう」って応援のメールが入りました。
―理解があるのか、なんなのか、かなり脳が焼かれた親だなあ。
◇
―spoon.で「泊めてくれる人募集」みたいな?
●それは怖いですよ!それはいやだな〜。
むしろ私としては、みんなもやりましょうとspoon.に勧めて欲しい。
だから女全員がそれをやったらそれはすごいパワーだと思うんですよ。
■spoon. vol.8 きつねのフレッドの「誰が読んでんの?」から。 2002年の2月頃の記事です。
ご両親がシャーロックホームズ研究家(!)という小林エリカさんの反戦プロジェクト、 「空爆の日に会いましょう」のちゃんとした宣言文はここに。
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