ファンタジーを作るということは、普段開けない自分の脳味噌の蓋を開けることなんですよ。
それを作っている時は、どこか自分の生活よりもその世界の方がリアリティを持ってきます。
今回この作品を作るにあたっては、自分にとって開けてはいけない蓋を開けてしまったみたいなんですよ。
ものごとの表面と内側、自分が本当に考えていることのギャップみたいなものが何かの形でひっくり返ったりしてね。
だんだん映画の中の世界が現実のような錯覚を受けてしまうんです。
でもだからこそ、この映画は僕にとって極めて現実的な、今の世界なんです。
嘘はつかなかったと僕は思っています。
それがこの映画を作っての僕のほこりです。
★千と千尋の神隠し◇パンフレットより/宮崎駿★
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