ルナティックという言葉には、病的なとか、突飛なとか、
ちょっと普通じゃないというような意味があるんだけれど、
ここではそんな感じの人々のことを書くつもりです。
街を歩くとそんな感じの人がいて、ちょっと感動する。
本物の芸術の生まれる瞬間に出会ったような胸の高鳴りすらあるのです。
実際にこの人達が作品を作ってるのかどうかは別にして、
文字通りアートがそこに生きている感じです。
そこか拒否したいところもあるけれど、この感じは欲しい。
この主観的な情熱のようなものがぼくにもほしい・・・と思ってしまうのです。
◇
原宿でみた男性。
キューピー人形を片手に抱いて、ちょっとフラついて歩いている。
アルコールが少し入っているらしい。
腹話術の人形師のようにみえるのは、
キューピーに生々しく黒々と光った頭髪がのっかっているからで、
なおよく観察しているとそれがカツラと判明するのです。
人間の男性の方に目を移すと、当人の頭部がハレーションを起こしていて、
本来のカツラのオーナーはこちらのほうらしい模様でありました。
★月風採集(LUNATIQUE COLECTION)/宇野亜喜良★
■昨日と同じく「絵本ジャーナルPeeBee」の、連載から。 これは第一回目のもので、全部で4件の「月風」が文字と絵で描かれてました。
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