ボクもいろんなところで、 「あいつ育てたの、オレだから」 なんて言われてる(らしい)。 ボクを育てたのは親だけなのによー! 本当のプロの編集者を何人知ってるかで、作家は違う。 本当に作家がやるべき事を教えてくれ、導いてくれる編集者、それがプロだ。 「こんな原稿載せたら、笑われてしまいますよ」 言われてみたいぜっ! とりあえず載っけてしまえばこっちの勝ちなんて思ってる編集者は、やめてしまえ! ボクはたまに嫌になる事がある。
ま、ボクのコーマニズムはいいとして、問題は小林よしのりさんだ。 何が正義か、正論なのか? は理論が全くないボクには分らないが、 カッコイイ人がやる事だから、カッコイイに違いない。 ボクも何年か前までは永尾カルビのようにカッコ悪い時代があったが、 努力してカッコイイ人に近づきつつある。 「何の根拠で?」 と言われても、自分の事は自分が一番よく知っているので分かるのだ。
人間は30歳過ぎた辺りから、心の旅に出る旅支度をしなければならない。 "愛に終りがあって心の旅が始まる♪" チューリップもそう歌っている。 30歳ぐらいまでにいろんな経験、それはどんなカッコ悪い事だって構わない。 それが旅支度に役立つのなら。
今の現状に満足している人も、 いずれその立場をキープしたくなる時、苦しみも生まれるというものだ。 外に向けて旅に出るのはもうおしまいだ。 内に、自分の心に向かって旅に出なければいけない。
"自分白身と闘ってる人ほど強いものはない。外敵が入り込むスキはないよ♪"
ボブ・ディランは本当、いい事を言う。
"生きることは悲しいよ 生きることはさわぎだよ やらなきゃなんないことをやるんだよ だからうまく出来るのさ♪"
みんな! 本当にディランはいい事を歌ってるよ。聞いてるかい? 小林よしのりさんのやらなきゃなんないことを批判して、どーする? それはあんたらのやらなきゃなんないことなのか? もし、そうだとしたら悲しくないかい? ボクは説教をしてるんだよ。 大きなお世話だと思うだろうが、みんなが平和で暮らしていけるには、 そういった人が一人でもいなくならないとダメだからさ。 迷惑はかけたくないし、かけられたくないだろ。 それが唯一、子供と大人の違いだもん。
小林よしのりさんが天才なのは仕方ないじゃない、そうだもん認めようよ。 描いた事ない人には分んないかも知れないが、大変な作業よ、漫画描くのって。 つまんない漫画だって大変なのに、 おもしろい漫画を描ける人ってのはスゴイわけ、それだけでも。 文章なんて、ホラ、ボクでも書けちゃうでしよ。
つづく
★誰だってカッコ良くなれるはず(3)/みうらじゅん★
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