"カッコイイ人が妬まれるのは当然だ" そう言い切ってしまっていいのだろうか? それは反対に、 "妬む人はカッコ悪い人に決まっている" という事になってしまう。 カッコイイ人に成れないなら、うんと妬んでやる! という考え方はあまりに淋しくないか? 誰しもカッコ良くなる権利は持っている。
それは自分をよく知ろうとする事、 何が一番、自分にふさわしい事か? 知ろうとする努力。 それが辛い努力であろうが、楽しい努力であろうが構わない。 カッコイイ人に成ろうとするなら、 そのままでいいと思ってる人以上に努力しなければならない。
不安なら聞いてみな? まわりの誰だっていい。自分をよく知ってくれてるって思う人に、 「オレって、カッコイイか?」 「私って、カッコイイかしら?」 と聞いてみな。 相手がお世辞を使ってるか、使ってないか、 それぐらいは分かるだろ、大人だもん。
「そんな事、カッコ悪くて聞けるかよ!」 と思ってる人は、カッコ悪いんだな。 人間って容姿じゃない事は分ってるよね?
でも悲しい事に顔ってヤツはそいつがモロに出てたりするわけで、 態度まで付けちちゃうし、 モロ出し、パンツを被ってた方がいい奴もいるよね。
小林よしのりさんの顔はカッコイイよ。 分ってんだろ? 本当はみんな。 でもさ、まだ勝負はついたって思いたくないのは分かる。 ひどい顔の奴だって、何かでカバー出来りゃいいんだもん。 それが才能ってヤツなんだよね。
世の中にはとんでもない顔してんだけビ、 女の子にモテてる人っているだろ? 「何んで?」 なんて子供みたいな事、言ってる場合じゃないたろ? それに気付かない自分を恥じるべきだな。
"もし神様がこの世にいるとしたら、それは女だ" ボブ・ディランも言ってるよ。 カッコイイ人が妬まれるってのは、いつだって同性だもん。 「あいつ調子こきやがって、女にモテてやがるんだろ−な、ちくしょう!!」 小林よしのりさんがモテるのは当然じゃないか! だってハンサムな上に、カッコイイ仕事してんだもん。 認めようよ、もう。 嫉妬するパワーがあるのなら、自分にふさわしい事に使おうよ。
「小林よしのりに一番おもしろい漫画、描かせてやったわけでしょ」 永尾カルビは、深夜のバカ番組"TOUCH ME"の楽屋で、ボクに言った。 ボクは女装姿で、これからスタジオで大暴れしてやろうと思っていた。 ボクがこの番組に最終回、出演したのは理由があった。 永尾カルビに、 「カッコ悪いぞ、あんた」 と注意をしてあげようと思ったからだ。
つづく
★誰だってカッコ良くなれるはず(1)/みうらじゅん★
|