ぼくは、おねえちゃんがよんで、わらうのがすきなんだ。
このよでいちばんすきなこえさ。だからまちがってたなんてことはない。
そりゃぼくはひとりで、まっくらなきのうえにすわっていて、
ものすごくこわい、しぬほどさびしい、ってときがある。
そんなときさ、どうぶつがくる。ぼくはあっちがわにぐいといきよせられる。
でもね、かくんだよ。ぼくはかくの、あしをふんばって。おねえちゃんのわらいごえをきくためにね。
おねえちゃんのこえはこっちがわにある。
ぼくは、どうぶつのこえと、おねえちゃんのわらいごえ、
あっちがわへこっちがわへとゆれているぶらんこみたいなものなんだ。
★ぶらんこ乗り/いしいしんじ★
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