○プラシーヴォ○
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付き合いだした当初は、 料理上手の主婦さんが開設してそうな ホームページを徘徊し、 (もちろん仕事中に。ウシシ) レシピをプリントアウトし、 何かとハム男に作ってあげていた
しかし、
『料理を作る技術を あたしのお腹の中に置いてきたんじゃないの?』
とママに言われるほど 料理下手で料理嫌いの私
普通に野菜炒めを作っていたはずが 最終的には、ボンヤリした味の 水気でビショビショな温野菜ができあがった時は 正直二度と包丁を持つまいと誓ったほどだ
だけど、
あまりの仕事の多忙っぷりで すっかり疲労困憊モードのハム男を見ていると 干からびたはずの母性本能に、 つき動かされた
そして再びレシピをにぎって ハム男家へ
切るたびに勢いづいて飛んでいく人参や 皮を一ミリ剥くごとにすべってころがるジャガイモに 悪態をつきながら作業をしていると
テレビを見ていたはずのハム男が 私の背後からギュムっと抱きついてきた
「…子泣きジジイさん、邪魔なんですけど…」
「俺は大丈夫」
いやいや、あたいが大丈夫じゃないんだってばさ
火加減を見たり、 冷蔵庫を開けたりする私から 離れようとしないハム男
二人羽織のように 私の背中に密着したまま一緒に動く
時々、押し殺した笑い声すら聞こえる キショイ
道場六三郎だってこんな状況で ウマイものなんかつくれるはずない
歩きながらツイストっぽい捻りの動きを取り入れてみたが 全く効果無し
はがれない
水でもかけてみようかと 思った瞬間、
「…あのな、嬉しいねん」
子泣きジジイが呟いた
感激しすぎだよ!
私がいかにも普段何もしてあげてないかが バレバレやんか!
感激してる割には あんまり美味しくなさそうに食べてたけど…
そして夜中にこっそりラーメン食べてたけど… (足りなかったのか?)
私がハム男のために 料理をしている姿が嬉しかったんだろうなあ
普段、して欲しいことを口に出さないから 甘えちゃってたなあ
誕生日はいっちょ、ケーキでも焼いてみるかあ
ママのお腹の中から 技術を取り返してこなくっちゃだわ
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