○プラシーヴォ○
目次←どうして?それから?→


2001年12月13日(木) オペラ座の怪人

想像以上に水分をたっぷり含んでいたシートを
破らないように、そっと顔の定位置に貼り付ける

ヒヤリとした感触に耐えていると
ハム男から電話がかかってきた

「もひもひ?」

口を大きく開けれず、不明瞭な返事になってしまう
ハム男は、受話器の向こうでなにやら歌ってる

うっとおしいので切る

かかってくる

「おい!切るなよ!聞けよ!」
と言って再び歌い出す コブクロらしい

また切る
それをあと2回繰り返して、ようやく普通の会話になった


「がちゃ子…今週の日曜日サッカーに行っていい?
 試合なんだけど…行っても怒らない?」

2週間ぶりに逢えるのに?
土曜日はハム男が仕事で夜しか逢えないのに?

「…怒らないよ。行ってくればいい」

私も実は日曜日にお芝居を見に行くので
ハム男を怒るわけにいかない

けれども、悔しいのは
私が腹立たしくて悲しいのは
ハム男がサッカーをすること自体では無く
毎週毎週どんなに忙しくても、どんなに疲れていても
サッカーだけは、きっちり行くというハム男の気持ち

私との待ち合わせは平気で寝坊するくせに
いくら揺り起こしても起きないくせに


おっと、いけないいけない
またマイナス思考ハム男ムカツクスイッチが
オンになっちゃった

と思った時にはもう遅い


美容液と混じってトロトロになった涙が
顎からつたいおちる

ジェイソンのようにシートパックを貼り付けた私は
顔の筋肉を動かせないまま
ひたすら涙をこぼした


がちゃ子 |偽写bbs

My追加