遠距離M女ですが、何か?
井原りり



 身もココロも

お月さんが西から昇ったって、できない、と思うことってある。


どんなに好きな人があらわれ、とことんココロを奪われようとも、あたしはカラダまでそのひとのそばにはいけない。


身もココロも常にたった一人だけに所有されているのなら、それはそれでどんなに甘美なことであろうか。

だがしかし、出会いには時間のずれがある。

時間差をおいて二人の人に出会った、ここまでは同じだ。

それぞれと共有する人生に折り合いをつけられるあたしと、つけられない彼女がいる。


Mrs.秋葉は彼女なりのスジを通し、あたしはあたしで、あたしなりにスジを通して生きている。

あたしたちは、お互いの感じ方、生き方を「出来ない、理解できない、信じられない」と評しあうが、相手を批判はしない。

自分にはこれしかできないってわかっていて、相手がやったようにはできないからだ。


Mrs.秋葉はあたしのことを「不思議なバランス感覚がある」といつも評してくれるが、ひょっとしたらあたしはオトコに限らず、仕事や表現分野、世間との付き合い、すべてに DUAL MODE で自分を制御してないか?



親にも家族にも見せていない、見せられない、見せたくないあたしのB面。


あたしのB面は深く暗い。
そしてかなりの重さがある。


彼女にはC/WはあってもB面がない、とはいわないが、親も家族も知らない領域の範囲は狭いんじゃないか?
隠しファイルってとこかもしれない。

どこかをクリックしれば画面には出せるはず。まあ、開けないだろうけど。


あたしはアナログのレコードで、彼女はCDだ。




2002年10月22日(火)
初日 最新 目次 MAIL HOME


My追加