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■ 骨の髄までMなりき
新宿で恋する女が三人寄れば……。
「どうしてそんなに言われた通りにできるの? 言いたいこととか、悔しくなっちゃうこととかないの?」
Mrs.秋葉が憤慨していう。
いはらから「嫉妬しちゃだめ」っていわれて、あたしが「はい」っていっちゃうこと自体がもう納得できないことだらけだっていうんだ。
百歩譲って、そういうのがS男特有の深謀遠慮だとしても、全然理解できないという。
「だってフツー、女はそこで嫉妬するでしょう? しないわけないでしょう? あたしにはそんなことできないって話にはならないわけ?」 「ならないよ」 「……」
官能ネットのkako嬢はMっ気ありだから、うふふと笑う。
「だーりんに言われる事は絶対服従だよねん」
いはらは、だーりんじゃあないんですけど……。ま、いいです。
うん、言うこときかないわけにはいかない。
自分の主義主張より、いはらの意思は優先されてしまうのだ。
なぜなんだろう?
うんもすんもない。反射的に「はい」って返事して、納得してる。
見かけ上のあたしは威張ってて偉そうだ。 職場のオトコたちも、お伺いを立てこそすれ、誰もあたしに命令しない。
いはらと夫だけがあたしに命令する。
命令されるのはうれしい。 だから、いうことをきく。
命令に従うこともうれしい。
そうして気持ちいい。
どいつもこいつもわかっちゃいねえんだから、ほんとにあたしのことわかってくれてたら、それだけで感謝。
感謝してる以上は、いうこと聞くのは当然じゃんか。
2002年10月21日(月)
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