2004年04月23日(金)    (プロローグ)〜視線の先は〜(仮題)<乾塚>

三度目の、春。

最後かもしれない、春。

これから永遠に続くかもしれない、春。




大体にして、永遠という言葉は信じていない。
始まりがあるものには確実に終わりがある。
15年間、その事を不思議と疑わなかった。
何も望みはしなかった。
誰かが言った(あれは漫画だっただろうか)「死ぬまでの暇潰し」。

テニスは好きだ。俺なりに熱い想いもある(表面には出しやしないが)。
だからと言って永遠に続けられるかと問われたら

無理だ。

体力的な問題もある。精神的にだってキツい。
道楽でやるならいい……が、俺は既に「高み」を知っている。
それは遙か高い、視線の先に。


手塚、国光。(今時国光?名前を後から聞いたときは何とも言えない奇妙な感覚だった。古風な名前に物怖じしない眼差し。何よりその痛々しいまでの孤高のプレイスタイル…!)


衝撃的な出会い(勿論一方的であることは自覚している)からもう3年目。
今年の夏、俺たちは引退する。
それはまだ、先ではあるけど。

部員達は何だかんだと言いつつ上手くやっている。
生意気な新人もいい刺激剤になっているようだ。
勿論、俺にも。
しかしそれも、やはり、手塚には敵わない。
脳内でのシュミレーションにでさえ殆ど勝った例がない。


「…………参ったな…」


もう何度目か。数えるのさえ嫌気が差す程の呟き(ノートを見れば書いてあるのだが生憎今は持ってきていない。花見くらいは置いていけと言われたのだ。ぁあ……そうだ、今日は花見をしに来たんだっけ)。
呟いた隣で怪訝そうな声がする。

「……何が」

いつの間に頭を垂れて考え込んでいたのか。ハッとして視線を遣ると先程まで頭の中に描いていた顔が眉間に皺を寄せてこちらを伺っていた(描くというよりはもう既に瞼に焼き付いているんじゃなかろうか。物理的に考えれば……)。

「……い、…乾、聞いているのか」

「……え?ああゴメン……また考え事をしてたみたいだ」

直ぐに思考の波に押し遣られるのはどうも癖のようで、こうやって諌められるのも日常茶飯事的になりつつある。治せばいいのだろうが生憎そんな気もない。
怪訝な表情のまま、そうか……と一言言った後に顔を背けられてしまった。

頭の中はお前のことばかりだと、言える訳が無い。
言う気も、ない。

だって

お前は

そんな事考えもつかないだろう?


とりあえず、丁寧に、然し曖昧に謝罪をする。
皆が楽しんでいる席で上の空なんて確かに失礼だし、彼なりに心配してくれたのかもしれない(と思うのは半分以上は期待だろう)。
皮肉にも誤魔化し方には長けている。
今日もいつもと何ら変わりない、筈だった……。


********
何かこう……花見のはずなんだけど全然桜見てません(爆
一応他にもいっぱい人が居る、んだけど、ね?(何
こういう思考の渦に嵌っていくのは書いてて面白いです。
何でってつらつらと思い浮かんだのをそのまま打ってる、ので(ぁ)
日記で完結させてから少し修正を入れてアップする形にしようかと思います(笑)

待ってろよて○ゅかーーーーー(バレバレ






                 


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